坑道戦用?の不思議なガスマスクの謎

昔図書館で見たWW1の画像に不思議なガスマスクがありました。

 大きな窓ガラス二枚がはめ込まれていて、ピッケルハウベが目立つデザインで、分かる人には分かるとてもドイツ帝国なデザインでした。↓

 本の説明文には地下坑道の戦で使用したというロマン溢れる情報しか記載されておらず、当時BF1に痺れていた自分は色々とネットで検索したのですが、「火炎放射器兵が使っていたのかも?」程度の大した情報しか見つかりませんでした。

 で最近英語で検索してみると海外のフォーラムで同じく気になっている人が情報を出し合っていました。要約すると「ガスマスク自体は実在したが、前線で利用されたか怪しい」という感じでした。

 まずこのピッケルハウベにガスマスクというスチームパンク好きにはたまらないデザインなのですが、このピッケルハウベは後の世の人が作ったフェイクの可能性が高いようです。ガスマスク自体は「Siebe Gorman & Co, Chessington Supra」という会社が作った"König'scher Rauchhelm" という消防士向けの物らしく軍用向けでは無く民間/産業用でした。

鷲の装飾がないっ…!

まず、フェイクの理由としては…

①規律が厳しいドイツ帝国では産業用などの装備と正規軍の装備が組み合わされる事はあり得えない。
②軍用として使うにも覗き窓がデカすぎて破片が当たれば容易に割れて使い物にならない構造をしている。
③火炎放射兵が使ったとしても当時の火炎放射兵が所属するシュトストルッペン(突撃大隊)は近衛部隊的な精兵だったので一般兵デザインのピッケルハウベは使われなかった。

 そもそも最初の画像の出所がフランスのヴェルダン記念館でそもそもドイツじゃない(驚)この展示物の説明には火炎放射兵用の装備と書かれているらしく、自分が見た図鑑の編集者も多分その説明を信じてしまったためヘンテコな装備が誕生してしまったというオチでした。(やっぱカエル食っているような国はだめだな!)

と、いう事で…火炎放射兵用の装備じゃないのかよ騙されたっ!でも長年の謎が解けて気持ちがいい!という不思議な気分です。皆さんも博物館や図鑑に書いてあるからと言って鵜吞みにしないようにしようという事で話を締め括りたいと思います。

…いや博物館はしっかりしろよ!!

 

参考サイト様

https://www.greatwarforum.org/topic/290303-german-flammenwerfer-helmet-from-verdun/

https://fireman.club/statyi-polzovateley/ustroystva-s-podachey-vozduha-po-shlangu-prototipyi-dyihatelnyih-apparatov/